少し前にテレビのニュースで話題になっていた、小学校で取り扱われるようになったプログラミング教育。
自分は中学の終わりごろに高専のインターンシップに参加するまでプログラミングなど存在すら知らなかったくらいなのに、そのニュースを見た時には時代の流れを感じた。
とはいうものの、小学生からプログラミングをするようになったんだ、すげーくらいの感想で、今日まで深く調べることもなかった。
最近のITを取り巻く環境について調べてブログに掲載する、という機会をいただいたので、長らく放置していた”小学校のプログラミング教育とは”という疑問について調査してみることにした。
経緯と目的
文部科学省が公開している文書によると、”情報化社会の進展によって、社会や生活環境が大きく変化し続け将来予測が難しいので、情報の取捨選択や情報を取り扱う技術がこれまで以上に必要になるのではないか”、”どんな職業にもプログラミング的な思考が必要なのではないか”という大きく分けて2点より、義務教育の段階からプログラミング教育をしよう!ということになった模様。
目的としては、大きく分けて”知識及び技能”、”思考力、判断力、表現力など”、”学びに向かう力、人間性など”の3つに分けられている。
ざっくり説明すると、”身近な生活の中の様々なものにコンピュータが用いられていることを知り、その働きを知ることで、よりよい人生や社会づくりに生かそうとする態度”や”問題解決には必要な手順があり、それを実践できるようになること”のようだ。
それらは、”既存の教科にプログラミングを組み込むことによって、その内容をプログラミング的思考によって理解させる”、とのこと。
...なるほど、あくまでもプログラミングは授業を理解するための一ツールとして用いられているだけで、実践的なプログラミングの授業をするというわけではなかったのである。(少し残念)
とはいえ、授業の内容を論理的な解釈によって理解を深めようという試みは、授業の内容がうまく呑み込めないと嘆いていた学生をよく見てきたからか、非常に素晴らしい案のように感じた。
実施状況
どうも2018年には文部科学省が文章として出していたらしく、必修化はその2年後である2020年の予定だったようだ。
2019年には全体で93%の学校がプログラミング教育について研修や模擬授業、さらには実際に授業に取り組んでいた、あるいは予定がもう出来上がっているなど、素早い対応をしていた。
実際には、2020年にはコロナの影響もあり、この予定は大きく狂ってしまったのではないだろうか。
具体的な取り組み
では実際に学校はどんな風にプログラミングを授業に取り入れているのか、いくつかの例を挙げてみる。
総合的な学習:地域・社会・仕事や機械の仕組みを理解して、それをプログラムで表現する。
国語:分の内容をアニメーションなどで場面表現してくれるプログラムを用いて、正しい文法を学ぶ。
数学:線をどれだけ伸ばすか、角度はどちらに、どれほど曲げるかなどを指示して作図を行う。
理科:電気回路の図を操作して電気の仕組みについて学ぶ。
プログラムでアプリや機械などを制作し、成果物とするような活動は学校教育としてはほとんど取り扱っていないようで、それらは企業やクラブの活動とで棲み分けされているように見えた。
まとめ
小学校のプログラミング教育とは、国民全体をプログラマとして育成しよう、というものではなく、論理的な理解力や思考力を育んでいこうという内容のようだ。
そのため、本格的にコードを記述できる生徒を育成するというものではないのでプログラマが増えるということではないらしい。この頃に生まれたらもっとプログラマに強くなれたのかもと思っていたので少し残念。
企業としての関わり方としては、カリキュラムや教育者研修プログラムの提供や改善、あるいは、カリキュラム構成について学校側との討論会の開催などだろうか?
プログラミング適性のある子どもが増える可能性も考慮すると、プログラマ志望の子どものための実践的学習の機会を与えるのもいいかもしれない。(パブリックも以前はしていたと記憶しているが、今はどうなのだろうか?)
ともかく、IT業界としても子のプログラミング教育を受けた新世代との関わり方、彼らを取り巻く環境への介入などで業界側もさらなる発展へとつなげることができるのではないだろうか。
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