イノベーションを起こそう!(連載第6回)


A イノベーションロジック

 その3 どうやってILの種をみつけるか

 

 1) 成功分析:組織内の成功を基にILを創出する(つづき)


 

4回で,個人差が存在するような業務では,有能者は秀でた成果を上げるノウハウをもっており,有能者に共通して大切にしている短い言葉があり,その短い言葉はノウハウを表すラベルであることを解説した。有能者が大切にしている短い言葉の例として次を挙げた。

   ✓ 営業職 「11回行く」           :前々回解説済み
   ✓ 営業職 「顧客接点営業を育てる」    :前回解説済み
   ✓ 開発設計職 「理論と実践を融合させる」 :今回解説
   ✓ 開発設計職 「前提を疑う」

 

(3)「理論と実践を融合させる」を大切にしていた開発設計職の成功を基にしたILの創出


 ■ 成功のファクト
 この言葉を大切にしていたのは,多くの新技術開発を手掛けてきた設備メーカのベテラン開発者だ。新技術の開発では,社内に標準などの技術資産が乏しいので,自ら理論を学び,実践して理論の裏付けを確認し,理論からの検討を行う。たとえ実験で自社の試験標準を満たしても,必ず裏付けとなる理論を確認する。その結果,新たな方策の創造,技術的な限界の突破,問題の先読みなどによって秀でた成果を上げている。
 例えば,新型の熱交換器の開発では,担当者は強度を出すのに,従来の製品と同じ考えで,素材の強度を高めては実験を繰り返し,失敗を続けていた。そこでこの有能開発者が支援に入り,成型方法が変わったにも関わらず同じ方法を繰り返していた担当者の行動を止めさせ,接合方法を変更して強度を出した。
 また,ある機能部品の小型化では,社内に盲目的に小型化は限界という見方があったが,この有能開発者は「理論的に大きさの限界が裏付けられている訳ではない」と考え,ポンプ側の圧力と流量の特性と,部品側の抵抗特性の兼合いを検討し,可能な小型化を見極め,達成した。

 

■ 成功のファクトを意味解釈して創出したIL
  上記の成功のファクトを意味解釈した,成功この有能者のノウハウのロジックは次のようになる。

 

図1 「理論と実践を融合させる」ノウハウのロジック

 

 上記のロジックは,有能者のノウハウを表しているが,組織的にイノベーションを起こすためのILにはなっていない。そこで組織が実施するILは次のようになる。

 

 

 次回は「前提を疑う」を大切にしていた開発設計職の成功を基にしたILの創出を解説する。

 

つづく

 

株式会社データ総研
コンサルティンググループ
シニアコンサルタントマネージャ
大上 建 (Takeru Daijo)

 

 


  お問い合わせ  - お気軽にお問い合わせください - 

  • 株式会社 パブリックリレーションズ
  • 〒064-0807
  • 北海道札幌市中央区南7条西1丁目13番地 弘安ビル5階
メールでのお問い合わせはこちら

  • この記事をシェアする