イノベーションを起こそう!(連載第5回)


A イノベーションロジック

 その3 どうやってILの種をみつけるか

 1) 成功分析:組織内の成功を基にILを創出する(つづき)


 前回は,個人差が存在するような業務では,有能者は秀でた成果を上げるノウハウをもっており,有能者に共通して大切にしている短い言葉があり,その短い言葉はノウハウを表すラベルであることを解説した。有能者が大切にしている短い言葉の例として次を挙げた。

   ✓ 営業職 「11回行く」           :前回解説済み
   ✓ 営業職 「顧客接点営業を育てる」    :今回解説
   ✓ 開発設計職 「理論と実践を融合させる」
   ✓ 開発設計職 「前提を疑う」

 

 (2) 「顧客接点営業を育てる」を大切にしていた営業職の成功を基にしたILの創出


■ 成功のファクト
 この言葉を大切にしていたのは,住宅設備メーカの男性営業職だ。住宅リフォームの主要商品を扱っていた。この業界では,最終顧客(エンドユーザ:以下EUと言う)には,いわゆるリフォーム店と呼ばれる販売店や工務店が接点となる。住宅リフォーム向け商品は,商品そのものが複雑な上に,住宅の造りによっては設置できない場合さえある。リフォーム店の営業は自分でリスクをとりたくないので,自分では見積りをせず,EUの要望をメーカの営業にそのまま伝えて見積りを依頼し,EUには数日後に郵送するのが当たり前になっている。しかしこのスタイルだと,EUはその場で希望の商品がいくらか知ることができないばかりか,ときとして設置できないことを後から知ることになる。
 他社も含めた一般の住宅設備メーカの営業は,それが当り前になっているが,この有能営業マンは,リフォーム店の営業からの見積依頼の都度,極力訪問し,相手の反感を買わない範囲でその場でリフォーム店の営業と一緒に見積りを行い,その過程で必要な知識を相手に伝える努力をしている。それによって,リフォーム店の営業は,詳しくなったその商品が得意商品になる。当然,得意商品はEUに積極的に勧めるようになる。EUの質問にも即答できるので,EUからもこの商品が魅力的に見える。さらにリフォーム店の営業が自分で見積りの大半を行うので,伝言ゲームで発生しがちな誤発注も減り,手戻りを減らせ,好循環となる。

 

■ 成功のファクトを意味解釈して創出したIL
 上記の成功のファクトを意味解釈した成功のロジックは次のようになる。

 

図1 「顧客接点営業を育てる」から創出したIL

 

 次回は「理論と実践を融合させる」を大切にしていた開発設計職の成功を基にしたILの創出を解説する。

 

つづく

株式会社データ総研
コンサルティンググループ
シニアコンサルタントマネージャ
大上 建 (Takeru Daijo)

 

 


  お問い合わせ  - お気軽にお問い合わせください - 

  • 株式会社 パブリックリレーションズ
  • 〒064-0807
  • 北海道札幌市中央区南7条西1丁目13番地 弘安ビル5階
メールでのお問い合わせはこちら

  • この記事をシェアする