イノベーションを起こそう!(連載第2回)


A イノベーションロジック

 その2 美辞麗句に流されるな

 

 前回は,ILがイノベーションの骨格を成す概念であること,ILとはどのようなものか,さらに関係者の合意形成のためにリターンが得られるロジックが明快でなければならないことを解説した。
 ILを明確化するには,「美辞麗句に流されない」という行動規範が求められる。美辞麗句に流されない,とは,聞こえの良い宣伝文句のような言葉に流されず,リターンが得られるロジックを追求する思考と行動を指す。例えば美辞麗句とは,「管理会計の高度化によって営業利益率を高める」のような言葉だ。何となくカッコよさそうで,その実何をすることなのか分からない。これに対してILは,「自覚できていない値引きを明らかにすることで,妥当な営業リソース再配分と不適切な取引排除を行い,それによって営業利益率を高める」のように表現できていなければならない。

 

美辞麗句に流されていないILの例

 残念ながら多くの人に美辞麗句は好まれる。特に中間管理職くらいまでの人は,部下に対して美辞麗句にするよう求めることさえある。なぜ美辞麗句が好まれるのか,それは「外していない」という感じがするからだ。減点を恐れる意識が,論理をあいまいにさせ,抽象的で,何にでも当たっていそうな言葉を選択させるのだ。しかし上層部に美辞麗句をもっていくと,まるで通じないことが多い。仮にそのILを実現するのに投資が10億かかるとすると,意思決定者は自分で最終責任をとってその投資を決めなければならない。株主から預かったお金なのか,金融機関から苦労して借りたお金なのか,それをドブに捨てるかもしれない決定なのだ。何にでも当たっていそうだということは,何も言い当てていないことと同義だ。意思決定者に健全な意思決定をしてもらうためにも,ILは美辞麗句に流れてはならない。

 次回は,どうやってILの種をみつけるか,について説明したい。

つづく

 

株式会社データ総研
コンサルティンググループ
シニアコンサルタントマネージャ
大上 建 (Takeru Daijo)


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