イノベーションを起こそう!(連載第1回)


はじめに

 

 常にイノベーションを起こしていないといつの間にか衰退してしまう。それが企業だ。ここでは一般の株式会社などだけでなく,団体や公的機関も含めて企業としたい。公的機関の衰退と言うと違和感もあるが,イノベーションのない機関は情勢の変化に存在意義を低下させる。

 イノベーションと言っても,何も大きなことばかりを考える必要はない。小さなこと,例えば自分の担当の仕事を,今日よりも明日,少しでもうまくやれるように工夫することも立派なイノベーションだ。そうやって企業の全員が,数多くのイノベーションを起こせば,すそ野の広さは頂きの高さを導き,業績を大きく伸ばすことや激しい環境変化への対応が可能になる。

 本連載では,イノベーションを起こすために必要なものの解説を行う。イノベーションを起こすのに必要なのは,技術ばかりではない。技術を鉄砲に例えるなら,弾に相当するのが知識だ。どんなに高性能な鉄砲でも,弾がなくては当たらない。本当は,技術と知識に加えて,さらに我々が行動規範と呼ぶ,思考と行動の原則も必要だが,行動規範の解説は,連載を進める中で行いたい。

 本連来は,不定期不定回と考えているが,当面は次の領域について解説するつもりだ。

 A       イノベーション・ロジック

 B       意思決定課題

 C       イノベーションの仮説

 D      ファクトによる実証

 E       知恵の結集

 F       イノベーションを提案する手順

 

A イノベーションロジック

 その1 イノベーションの骨格となるイノベーション・ロジック(IL)

 

 連載初回の本稿では,我々がイノベーション・ロジックと名付けた概念を説明したい。イノベーションの骨格は,仕事をどのように変えて,それによってどのように成果を上げるか,という論理だ。この論理は,改善策や業務改革策などと呼ばれるが,私たちは説明しやすいように,イノベーション・ロジック(IL)と呼んでいる。ILの例を次に示す。

 図1 イノベーション・ロジック(IL)の例

 

 

 今の世の中のイノベーションのほとんどはICTの活用を伴うものだが,ICT単独でうまくいく訳ではなく,業務と一体になっていなければ成果を上げることはできない。そこでILは,目指す業務とICTの上位に位置する。

 

2 ILと目指す業務とICTの位置関係

 

 

 イノベーション・ロジック(IL)は,なぜリターンが得られるか,それをビジネスの言葉だけでシンプルに表したものだ。当然その言葉の中にICTの3文字用語は入らない。また,ILが明快に定まると,上記のようにどのような業務とICTを目指せばよいか,経営トップをはじめとした関係者が認識できる。例えば上記のILでは,仕向け先ごとに異なることの多い製品コードのグローバル統一や,グローバルな販売拠点間での横持ちルールが必要になる。このような業務の変更は,技術的な問題よりも,関係者の合意形成が大変だ。関係者に合意を得るためには,何をすることでどのようにリターンを得ることができるか,しっかりとした認識が求められる。

 次回は,いかにILを明確化するか,について説明したい。

つづく

 

株式会社データ総研
コンサルティンググループ
シニアコンサルタントマネージャ
大上 建 (Takeru Daijo)


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